2018.03.01 Thursday
ジェンダーを勉強されている方には特におすすめ!「パリジェンヌ展」@世田谷美術館
「都内の主要美術館のなかでは、最も御殿場から近いかも!」です。用賀PAから徒歩15分のところにある世田谷美術館。
御殿場市民の私が都内に出るときは、高速バス(1時間に3本出ている)が多いんです。(上野の美術館に行くときは別だけど。)そして、都内に出るとき、ほとんどのケースで巻き込まれる都心の渋滞。
でも、世田谷美術館へ行くときは無関係です。だって、用賀PAで降りるんですものーー!
Googleマップを見たときは「不便なところにあるなー」と思っちゃいましたが、いえいえ。意外と近くて便利でした、世田谷美術館。ここで4月1日まで行われている「パリジェンヌ展」を観てきました。
世田谷美術館の「パリジェンヌ展」では、18世紀の”サロン”が出来た時代から現代にいたるまで、パリに生きる女性たちの姿が描かれた油絵やリトグラフ、当時流行した雑誌のページの紹介がありました。
ドレス(18世紀のものと、19世紀のものは、まるで違いました!)、食器、髪の上に軍艦(!?)を乗せるほどの盛ったヘアスタイルの紹介・・・・。ユニークでした(笑)。あ、20世紀に入ってからは、写真でもパリジェンヌを紹介していました。
《建物は懐かしい雰囲気》
大学でジェンダーを専門に学んでいる方は、この展示会に行かれるとおもしろいかも!と感じました。18世紀から20世紀と短い期間ではあるけれど、女性が徐々に解放に向かっていく様子を思い浮かべることができます。
男性優位な社会のなかで、女性としての在り方を模索し続けていた時代のことをリアルに想像しました!
《梅の花のつぼみが、ポコポコしていてかわいかった》
私はフェミニストではないのだけれど、「女性だから」とか「主婦だからこうするべき」とかの”べき論”を押し付けられるのは、とても苦手です。(まぁ、みんなそうかな・・・)
でも、この当時の女性たちの生きている姿を見ると、今とは比べ物にならないほど、たくさんの制約があって、みんなその中で生きてきたんだなぁ、としみじみしました。
《砧公園(きぬたこうえん)には、見事な枝っぷりの梅の木がありました》
女性が絵を描き、オフィシャルな場へ出品すること自体が全然ウェルカムではなかったなかで、絵の勉強をして印象派に参加した女性画家、モリゾやカサットの絵も良かったです。
ピカソ、ルノワールといった巨匠たちの描く女性の絵画も、やっぱり心がハッとしました。フランソワ・ユベール・ドルーエの描いたモンムラ侯爵夫人の絵には、髪にも、首にも、ドレスにも、大量の真珠が使われていました。
そして、美術展の内容も良かったけど、用賀PAから世田谷美術館へ行く途中に突っ切った砧(きぬた)公園。ここの梅が良かったんです。
まだ満開ではなかったけれど、枝っぷりが日本絵画みたいだった。紅梅も白梅もくっきりと青空によく映えて、良い一日でした。あまりにも良い一日だったので、翌日も東京に行く予定だったのをやめて、「パリジェンヌ展」の余韻を楽しみました。
ただ、ひとつだけ心残りがあるとするならば、おいしいと評判の、館内のレストラン「ル・ジャルダン」に行っていないこと。次回は必ずここで食べよう!うん、そうしよう!
世田谷美術館