平成31年の「三月大歌舞伎・夜の部」を歌舞伎座で観劇

平成30年(2018年)は、高麗屋さんの史上初となる三代同時襲名があって、名古屋、大阪、京都と追いかけて歌舞伎を観てまいりました。今年、2019年初めてとなる歌舞伎鑑賞は東京・歌舞伎座で公演中の「三月大歌舞伎」の夜の部!

 

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じゃじゃん!やってきました〜、東京・歌舞伎座。ギャラリーには入ったことがありましたが、ここでの歌舞伎鑑賞は初めてです。

 

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今回も良いお席をご用意いただき、ここで『盛綱陣屋』、『雷船頭』、『弁天娘女男白浪』を観てきました。

 

長丁場だった(1時間40分くらいかな)『盛綱陣屋』では、盛綱の役をやられた仁左衛門さんの目つきはしびれる〜。そして勘太郎くんはまだ幼いご年齢なのに、演技力が要される小四郎の役を一生懸命に演じていて良かったです。『盛綱陣屋』では完全に無音になる場面が3回ほどありまして、観てるこちらにもその緊張感がビリビリと伝わってきました。

 

若様(=私たちをアテンドしてくれた歌舞伎のご贔屓筋の方)曰く、『盛綱陣屋』こそ、最前列で見るかいのある演目だそうで、役者の表情の細やかさや息づかいがリアルに感じ取ることができるからです。

 

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雷船頭』は舞踊がメインの短いお芝居。今回は猿之助さんが演じられました。漆黒の闇から目がくらむような明るい照明の舞台に、実際に目がくらみました(笑)。川と橋が描かれた奥行のあるセットが良かったぁ。

 

そして、猿之助さんの指先の美しさと、雷さんの軽やかな動きに見入ってしまいました。あれだけ肉襦袢(=体を実際より大きく見せるためのもの)を着込んで飛んだり跳ねたりしてすごいなーーー。

 

最後は、『弁天娘女男白浪』。このお芝居での一番のしびれたポイントは、幸四郎の変わりっぷり。最初は女子を演じていた幸四郎。幸四郎のポンポンした身振りや話し方がすごく好きなのですが、それがガラッと一転。泥棒男子だと見破られたあとの変わりっぷりったら!!!片方の肩を出し、立膝をつき、ぷっは〜〜〜〜と煙草をふかし、「不良」って感じ(笑)。

 

しかも、ときどきセリフが七五調になっていて、かっちょいいんです。猿之助さんのドスのきいた発声も印象的でした。すごーーい存在感があった!

 

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歌舞伎座にはコインロッカーもあるよ!知られざる地下(笑)。絨毯の色がきれいですね。

 

歌舞伎って「難しそう」というイメージを持たれがちですし、私もそう思い込んでいました。でも、一回の公演で、難解な演目ばかりが並ぶってことはないんです〜。

 

今回の『雷船頭』のように舞踊がメインの演目、そして『弁天娘女男白浪』のように現代もの(=つまり江戸時代のもの)の演目もあります。「難解」と感じられることが多いのは、「時代物」と呼ばれている演目です。

 

私も今回で歌舞伎鑑賞がまだ4回目なのですが、「時代物」は確かに台詞の8割方が理解できません。事前にあらすじや見どころを把握しておくほうが楽しめるのは確かです。でも、「時代物」はすごく完成度が高くて、芸術性に優れているので、頭では理解できなくても、心に直接働きかけてきてくれます。

 

私がいだく感想も、原始的ですよ(笑)。でも、最初はそんなふうで良いのかな、と思っています。

 

役者さんのキリッとした目つき、ハリのある声、打てば響くコミカルなやりとり、威風堂々とした存在感、、、、そんなことを感じるだけで、十分、心に英気を養えます。

 

ただ、座って観劇しているだけで、舞台の上からビシビシと色んな波動が飛んでくるのが歌舞伎のすごいところ!ちょっとでも興味のある方は、ぜひぜひ、壁を感じずに歌舞伎鑑賞にトライしてみて下さいね〜!

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